少年事件に強い弁護士事務所 弁護士法人 渋谷青山刑事法律事務所(東京都渋谷区)
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このページでは,検察官逆送について弁護士が説明しております。
検察官逆送とは,家庭裁判所の審判において,刑事処分が相当であると判断されて,事件が家庭裁判所から検察官に戻されて送致されることをいいます。事件が検察官に逆送された場合,ほとんどの少年は刑事処分を受けることになります。刑事処分を受けることが前提になっているため,ぐ犯事件や触法事件は,検察官逆送の対象外になります。令和6年の検察統計年報によれば,令和5年には1,511人が逆送されています(内訳ですが,8割近くは道路交通法違反事件です)。
この検察官逆送には,大きく分けて2種類あり,一つは,年齢超過による逆送です(少年法第19条第2項,同第23条第3項)。これは,事件が家庭裁判所に送られ,調査・審判を行っている段階で,少年の年齢が20歳以上と判明したことにより,事件を刑事手続に戻すために行われる逆送です。この20歳以上かどうかの判断は,事件の時ではなく,調査・審判の時点で判断されます。
もう一つの逆送手続は,少年ではあるが,刑事処分が相当であることによる逆送です(少年法第20条第1項、第2項)。一般的に,殺人事件や傷害致死事件などの被害者が死亡してしまった事件や放火事件などの重い犯罪の場合に,この手続がとられます。この逆送手続については,事件を起こした時に16歳以上の少年で,故意の犯罪行為により被害者を死亡させた罪の事件については,原則として検察官に逆送されることとなっています。もっとも,「犯行の動機及び態様,犯行後の情況,少年の性格,年齢,行状及び環境その他の事情を考慮し,刑事処分以外の措置を相当と認めるとき」(少年法第20条第2項但書)は,検察官に逆送しないとされています。
また,2021年の法改正により,行為時に18歳・19歳の特定少年については,死刑・無期又は短期1年以上の懲役・禁錮の罪の事件に関しては,原則として検察官に逆送されることになり,強盗罪,不同意性交等罪,非現住建造物放火罪などの犯罪については原則逆送対象になりました。
家庭裁判所の審判によって,検察官に逆送された場合,少年が観護措置により少年鑑別所に収容されている場合であれば,そのまま少年は身柄拘束を受けることになります。この身柄拘束を受ける場所については,少年鑑別所のままである場合もありますが,警察の留置施設などの刑事収容施設になることもあります。検察官に逆送された場合,捜査段階と同様に,10日間の勾留,その後にさらに10日間の勾留延長ができますが,一般的に家庭裁判所に事件が送致される前に,少年に勾留状が出ている場合が多いため,その場合には勾留延長はできないことになります。
刑事処分が相当であるとして,検察官に逆送された場合には,検察官は公訴提起するに足りる犯罪の嫌疑があると思えば,必ず起訴しなければならないので,このような場合には20歳以上と同じ刑事裁判を受けることになります。
少年が16歳未満の被害者と性行為を行い,その姿を撮影した不同意性交等,性的姿態等撮影罪,児童ポルノ禁止法違反事件。
本件は事件発覚後,当事務所の弁護士が少年の弁護人として付きました。本件は,令和5年に法改正されたことにより,罪が重くなった事案であり,少年が逮捕される可能性も十分ありましたが,弁護士が警察などの捜査機関を説得したことにより,少年は逮捕を免れました。また,少年は,20歳の誕生日が近かったため,このまま少年事件として扱ってもらえない可能性が高かったため,弁護士は捜査機関に働きかけて,少年が20歳になる前に,事件を家庭裁判所に送致させました。
ただ,家庭裁判所は,調査日数が足りないことを理由に,家庭裁判所における調査を行わなかったため,少年は少年事件の範疇で処理されなくなってしまいました。そのため,事件は家庭裁判所からまた検察庁に逆送され,刑事事件として取り扱われることになってしまいました。
事件が逆送されてからは,弁護士は被害者代理人と積極的に示談交渉をしていき,被疑者が刑事事件として不起訴処分になるように弁護活動していきました。複数回示談交渉を重ねた結果,検察官が処分を出す前に,被害者代理人との間で示談が成立しました。弁護士は,逆送された段階から,検察官と掛け合い,少年を不起訴処分にするようにずっと求めていきました。その結果,担当検察官は,事案の内容や示談が成立していることなどを考慮して,本件を不起訴処分(起訴猶予)としました。
家庭裁判所は,調査の結果,本人が二十歳以上であることが判明したときは,前項の規定にかかわらず,決定をもつて,事件を管轄地方裁判所に対応する検察庁の検察官に送致しなければならない。
1 家庭裁判所は,死刑,懲役又は禁錮に当たる罪の事件について,調査の結果,
その罪質及び情状に照らして刑事処分を相当と認めるときは,決定をもつて,こ
れを管轄地方裁判所に対応する検察庁の検察官に送致しなければならない。
2 前項の規定にかかわらず,家庭裁判所は,故意の犯罪行為により被害者を死亡
させた罪の事件であつて,その罪を犯すとき十六歳以上の少年に係るものについ
ては,同項の決定をしなければならない。ただし,調査の結果,犯行の動機及び
態様,犯行後の情況,少年の性格,年齢,行状及び環境その他の事情を考慮し,
刑事処分以外の措置を相当と認めるときは,この限りでない。
1 家庭裁判所は、特定少年(十八歳以上の少年をいう。以下同じ。)に係る事件に
ついては、第二十条の規定にかかわらず、調査の結果、その罪質及び情状に照らし
て刑事処分を相当と認めるときは、決定をもつて、これを管轄地方裁判所に対応す
る検察庁の検察官に送致しなければならない。
2 前項の規定にかかわらず、家庭裁判所は、特定少年に係る次に掲げる事件につい
ては、同項の決定をしなければならない。ただし、調査の結果、犯行の動機、態様
及び結果、犯行後の情況、特定少年の性格、年齢、行状及び環境その他の事情を考
慮し、刑事処分以外の措置を相当と認めるときは、この限りでない。
① 故意の犯罪行為により被害者を死亡させた罪の事件であつて、その罪を犯すと
き十六歳以上の少年に係るもの
② 死刑又は無期若しくは短期一年以上の懲役若しくは禁錮に当たる罪の事件であ
つて、その罪を犯すとき特定少年に係るもの(前号に該当するものを除く。)
条文でも規定されているとおり,少年が少年法第20条に規定されている犯罪を起こしたとしても,刑事処分の相当性がなければ,事件は検察官に送致されませんので,弁護士としては,この刑事処分の相当性の点を争うことになることが多いです。
罪 名 | 総 数 | 起 訴 | 公判請求 | 家庭裁判所に 再 送 致 | 不起訴 ・中止 |
総 数
刑 法 犯 放 火 不同意性交等 ・ 不同意わいせつ 殺 人 傷 害 窃 盗 強 盗 詐 欺 恐 喝 そ の 他
危 険 運 転 致 死 傷 過 失 運 転 致 死 傷 等
特 別 法 犯 道交違反を除く特別法犯 大 麻 取 締 法 違 反 覚 せ い 剤 取 締 法 そ の 他 道 交 違 反 | 1,541
175 5 17 2 10 58 44 16 1 17
5 63
1,303 36 8 4 24 1,267 | 1,511
171 5 17 2 9 57 44 16 1 15
5 53
1,287 34 8 4 22 1,253 | 266
168 5 17 2 9 56 44 16 1 13
5 26
72 20 8 4 8 52 | 10
2 ー ー ー 1 1 ー ー ー ー
ー 4
4 ー ー ー ー 4 | 20
2 ー ー ー ー ー ー ー ー 2
ー 6
12 ー ー ー 2 10 |
注 1 検察統計年報による。
2 移送及び年齢超過後の処分を除く。
罪 名 |
有 罪 総 数 |
死 刑 |
無 期 懲 役 | 有 期 懲 役 ・ 禁 錮 | |||
実 刑 | 執 行 猶 予 | ||||||
定期刑 | 不 定 期 刑 | 全部執行 猶予
| 保護観察付執行猶予 | ||||
総 数 刑 法 犯 わ い せ つ 等 殺 人 傷 害 窃 盗 強 盗 詐 欺 恐 喝 そ の 他
特 別 法 犯 大麻取締法違反 覚醒剤取締法違反 道 路 交 通 法 自 動 車 運 転 死 傷 処 罰 法 そ の 他 | 79 32 5 2 4 3 11 3 1 3
47 2 1 23
19 2 | ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー
ー ー ー ー
ー | ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー
ー ー ー ー
ー ー | 73 30 5 1 4 3 10 3 1 3
43 2 1 19
19 2 | 2 2 ー 1 ー ー 1 ー ー ー
ー ー ー ー
ー ー | 51 15 2 ー 1 2 5 1 1 3
36 2 1 19
14 ー | 14 7 1 ー ー 1 4 ー ー 1
7 2 1 2
2 ー |
罪 名 | 有 罪 総 数 | 罰 金 | 家 裁 移 送 |
総 数 刑 法 犯 わ い せ つ 等 殺 人 傷 害 窃 盗 強 盗 詐 欺 恐 喝 そ の 他
特 別 法 犯 大麻取締法違反 覚醒剤取締法違反 道 路 交 通 法 自 動 車 運 転 死 傷 処 罰 法 そ の 他 | 79 32 5 2 4 3 11 3 1 3
47 2 1 23 19
2 | 4 ー ー ー ー ー ー ー ー ー
4 ー ー 4
ー | 1 1 ー ー ー 1 ー ー ー ー
ー ー ー ー ー
ー |
注 1 司法統計年報による。
2「わいせつ等」は,刑法第2編第22章の罪をいう。
3「傷害」は,刑法第2編第27章の罪をいう。
4 裁判時20歳未満の者に限る。
家庭裁判所の審判で,少年に対して検察官逆送決定がなされた場合,この決定に対して不服申立てをしたいという場合もあると思いますが,この決定に対しては,抗告などの不服申立てをすることができません。これは,検察官逆送決定自体が中間的な処分であるということが理由であり,もしこの決定に不満があるのであれば,以下で見る少年法55条の移送などの主張を刑事裁判の中でしていくしかありません。
家庭裁判所の審判で,検察官の元に逆送されることになった場合でも,また再度家庭裁判所に事件が送られることがあります。これが少年法55条の移送です。少年法の第55条では,「裁判所は,事実審理の結果,少年の被告人を保護処分に付するのが相当であると認めるときは,決定をもつて,事件を家庭裁判所に移送しなければならない。」と規定しており,検察官が裁判所に対して公判請求した後,裁判所が審理の結果,少年を成人と同じ刑事処分に付するよりも少年事件における保護処分に付する方が相当と考えた場合には,再度家庭裁判所に事件が送られることになっています。
そのため,少年が検察官逆送された場合には,再度家庭裁判所に送致して保護処分を受けられるように,弁護士が動いていくことになります。
少年法55条でいう,「少年の被告人を保護処分に付するのが相当であると認めるとき(保護処分相当性)」という要件については,実務ではかなり厳しく判断されています。具体的には,少年に対して保護処分を言い渡すことが少年の改善更生に有効であるだけでなく,事案の性質や社会感情,被害感情などから保護処分にすることが社会的に許容されることも求められています。そのため,弁護士は少年を保護処分にすることの有効性だけでなく,事案の性質などからも,保護処分で問題ないことを裁判所に説明していくことになります。
代表弁護士:二宮 英人
(東京弁護士会所属)
弁護士登録をして以降,少年事件・刑事事件を専門分野に活動している。これまでに100件以上の少年事件で弁護人・付添人を務め,少年事件・刑事事件共に多くの解決実績を有する。
主な解決実績
・強制わいせつ事件における非行事実なし
不処分決定
・再度の保護観察中の傷害事件における
不処分決定,など
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