少年事件に強い弁護士事務所 弁護士法人 渋谷青山刑事法律事務所(東京都渋谷区)
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こちらでは,少年事件における不同意わいせつ罪(旧:強制わいせつ罪)について解説していきます。
令和5年に刑法が改正され,これまで強制わいせつ罪・準強制わいせつ罪とされていたような行為が不同意わいせつ罪という形になりました。そして,新たに処罰範囲が広がり,不同意わいせつとは,次に掲げる行為又は事由その他これらに類する行為又は事由(下記参照)により,同意しない意思を形成し,表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ,又はその状態にあることに乗じて,わいせつな行為をすることとされています(加害者と被害者の関係性が婚姻関係にあったとしても犯罪が成立することが明記されています)。不同意わいせつ罪については,刑法第176条で規定されており,第1項で8つの行為・事由が規定されています。
【刑法第176条で規定されている行為・事由】
・暴行もしくは脅迫を用いること,またはそれらを受けたこと
・心身の障害を生じさせること,またはそれがあること
・アルコールもしくは薬物を摂取させること,またはそれらの影響があること
・睡眠その他の意識が明瞭でない状態にさせること,またはその状態にあること
・同意しない意思を形成し,表明し,または全うするいとまがないこと
・予想とは異なる事態に直面させて恐怖させ,もしくは驚愕させること,またはその事態に直面して恐怖し,もしくは驚愕していること
・虐待に起因する心理的反応を生じさせること,またはそれがあること
・経済的または社会的関係上の地位に基づく影響力によって受ける不利益を憂慮させること,またはそれを憂慮していること
また,被害者に対して,当該行為がわいせつなものではないとの誤信をさせ,もしくは行為をする者について人違いをさせ,またはそれらの誤信もしくは人違いをしていることに乗じて,わいせつな行為をした場合にも不同意わいせつ罪が成立します。被害者が16歳未満の場合には,わいせつな行為をしただけで,不同意わいせつ罪が成立しますが,被害者が13歳以上で,加害者が被害者が生まれた日より5年経っていない年齢の場合には,すぐには不同意わいせつ罪は成立しないとされています(例:少年が16歳,相手が14歳の場合で,少年がわいせつ行為をした場合には,わいせつな行為をしたというだけでは,不同意わいせつ罪は成立しません)。
このような不同意わいせつ行為を行った上で,被害者が怪我を負ったり,死亡したりした場合には,より重い罪となり(不同意わいせつ致死傷,刑法第181条第1項),20歳以上であれば,裁判員裁判対象事件となります。ただ,少年事件の場合には必ず裁判員裁判対象事件となるわけではなく,少年事件の範疇で終了することもあります。
不同意わいせつ罪は,被害者の告訴がないと起訴できない親告罪とされていましたが,現在は,刑法が改正され,被害者の告訴がなくても起訴できるようになりました(なお,2人以上の者で共同して行った場合や不同意わいせつを行った上で,被害者に怪我を負わせたり,死亡させたりしてしまった場合も,これまでどおり,被害者の告訴がなくても起訴できるようになっています)。また,不同意わいせつ罪が成立するためには,客観的にわいせつな行為をしただけでなく,行為者に性的意図(犯人の性欲を刺激興奮させ又は満足させる)がなければならないとされていましたが,近時の最高裁判例で性的意図がない場合にも犯罪が成立するとの判断がなされました。
第百七十六条 次に掲げる行為又は事由その他これらに類する行為又は事由により、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、わいせつな行為をした者は、婚姻関係の有無にかかわらず、六月以上十年以下の拘禁刑に処する。
一 暴行若しくは脅迫を用いること又はそれらを受けたこと。
二 心身の障害を生じさせること又はそれがあること。
三 アルコール若しくは薬物を摂取させること又はそれらの影響があること。
四 睡眠その他の意識が明瞭でない状態にさせること又はその状態にあること。
五 同意しない意思を形成し、表明し又は全うするいとまがないこと。
六 予想と異なる事態に直面させて恐怖させ、若しくは驚愕がくさせること又はその事態に直面して恐怖し、若しくは驚愕していること。
七 虐待に起因する心理的反応を生じさせること又はそれがあること。
八 経済的又は社会的関係上の地位に基づく影響力によって受ける不利益を憂慮させること又はそれを憂慮していること。
2 行為がわいせつなものではないとの誤信をさせ、若しくは行為をする者について人違いをさせ、又はそれらの誤信若しくは人違いをしていることに乗じて、わいせつな行為をした者も、前項と同様とする。
3 十六歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者(当該十六歳未満の者が十三歳以上である場合については、その者が生まれた日より五年以上前の日に生まれた者に限る。)も、第一項と同様とする。
不同意わいせつ罪は,これまで強制わいせつ罪,準強制わいせつ罪で処罰されていた行為やそれに近い行為を処罰対象としています。
まず,これまでと同様に,電車内での痴漢行為がエスカレートし,女性の下着の中にまで手を入れ,胸や陰部を触ったりすると,不同意わいせつ罪にあたることになります。また,路上で女性に抱きついたり,押し倒したりして,胸や陰部などを触る行為も不同意わいせつ罪に当たります。さらに,多くの人は,不同意わいせつ=女性の体に触る行為と考えていますが,男性が女性に対して自己の陰茎を触らせるような行為も不同意わいせつ罪に当たる行為になります。
その他にも,相手にお酒を飲ませて泥酔させた上でわいせつな行為をする場合や社会的な立場の上下を利用してわいせつな行為をする場合なども不同意わいせつ罪に当たることになりました。
少年事件においては,性的興奮が抑えきれずに,痴漢行為がエスカレートしてしまうといったケースが多いように思いますが,夜道で女の子にわいせつな行為を行って逃走するケースも多く見受けられます。また,思春期ならではのものとして,少年自身が自己の性的な欲求をどう解消してよいのかわからずに,自分よりも幼い女の子に対して,自己の陰茎を触らせてしまったり,その女の子の体を触ったりするケースもよく見かけます。
不同意わいせつ罪は,痴漢・盗撮の場合(迷惑行為防止条例違反の場合)と比べてみても分かるように,罰金刑が規定されていませんので,それだけ重い犯罪ということになります。そのため,少年事件においても,少年鑑別所に収容された上で,少年院送致などの重い処分が十分に考えられる犯罪であり,弁護士を付けずに対応していると,少年が少年鑑別所に収容され,その後の審判でそのまま少年院送致になってしまうこともあります。特に,不同意わいせつ罪は余罪がある場合も多いため,最初の事件で逮捕された段階でしっかりと対応していくことが重要になります。
<非行事実を認めている場合>
不同意わいせつ事件の場合,重大事件と判断されるため,少年が逮捕・勾留される可能性が非常に高くなります。ただ,少年が逮捕される前から,弁護士が弁護人として付いて,警察対応を行うことによって,逮捕を回避することができる場合もあります。また,少年の逮捕・勾留は免れないとしても,家庭裁判所に事件が送られた段階で,弁護士が家庭裁判所に対し,観護措置(少年鑑別所に収容すること)を取らないように求める意見書を提出することによって,少年鑑別所に収容されることを避けられる場合もあります。
また,不同意わいせつ事件の場合には,被害者に与える被害の程度が大きいため,被害者に対する被害弁償が重要になります。少年事件においては,被害者との示談がそのまま少年の処分を軽くすることにはつながりませんが,不同意わいせつ罪の場合には,被害者の被害感情が重要視される傾向にありますので,被害者との示談が重要な意味を持ちます。そのため,早い段階で弁護士を通して,被害者と被害弁償についての交渉を行い,示談を成立させていくことが重要になります。示談交渉の流れとしては,弁護士が警察や検察,家庭裁判所から被害者の連絡先を教えてもらい,弁護士が被害者に連絡して,示談交渉を進めていきます。弁護士が被害者と直接面会するなどして,示談書を取り交わすことができれば,被害者との示談が成立することになります(この際に,多くの場合では示談金がかかってくることになります)。
加えて,不同意わいせつの内容にもよりますが,この種の犯罪を行う少年は,性的嗜好に偏りがあったり,性に対する認識が歪んでいたりすることが多く見受けられます。そのため,弁護士が少年の問題点をしっかりと見抜き,適切な指導をしていくことが求められます。性的な問題というのは,保護者の指導だけではなかなか改善することができませんので,第三者である弁護士(付添人)を少年につけて,第三者の視点から指導・教育させることが適切だと思われます。
<非行事実を否定している場合>
不同意わいせつ行為を否定する否認事件(例:被害者との間でわいせつ行為に対する同意があった,など)においては,多くの場合,少年と被害者の供述のどちらが信用できるかが判断の分かれ目になります。そのため,少年が曖昧な供述をしていると,少年の主張が認められず,非行事実があったことにされてしまうので,早い段階から弁護士が弁護人として付いて,少年の主張を論理的に組立ててあげる必要があります。
少年事件も刑事事件と同様で,警察や検察で作成される供述調書が証拠として大きな意味を持ちます。そのため,不同意わいせつ事件で否認し,非行事実なしを理由とした不処分決定を勝ち取るためには,当初から弁護士を付け,少年の主張をしっかりと供述調書に残させる必要があります。
<弁護士に相談するタイミングについて>
少年事件における不同意わいせつ事件でも,事件発生後すぐに弁護士に相談する方がいいです。刑事事件でイメージされるような,路上で女性を襲うような不同意わいせつ事件であれば,現場で逮捕されたり,事件発生直後に逮捕されたりしますので,できるだけ早く弁護士に相談すべきです。
また,少年事件の場合には,被害者が同級生などの知り合いであるケースも多くあります。このようなケースでは,保護者が事件の重大性をあまり意識せずに時間が経過してしまうことがよくあります。被害者が知り合いであっても,不同意わいせつ事件であることは変わりませんし,学校が仲介役になっている場合でも,警察がすぐに動くことはありますので,このような場合でも,事件が起きたら,すぐに少年事件に強い弁護士に相談した方がいいでしょう。
中学生の少年が路上において被害者の太股などを直接触った後,被害者に怪我を負わせたとして強制わいせつ致傷で検挙された事件。
本件では,事件が検察庁に送られる前の段階で,当事務所の弁護士が弁護人として付きました。弁護士が弁護人として付いた時点では,少年は警察に対してうまく話ができていませんでしたが,弁護士のアドバイスにより,少年は事件について自分の考えをしっかりと話せるようになり,自分の行為が強制わいせつに当たる行為ではないことを説明できるようになりました。それに伴い,弁護士が捜査機関に対して,本件非行が強制わいせつ致傷に当たらない旨を述べたところ,検察官は本件の罪名を強制わいせつ致傷から公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例違反,傷害に変更しました。
事件が家庭裁判所に送られてからは,少年は被害者の心情などを聞いて,自分の犯した非行を深く反省し,自分の問題点なども直視するようになりました。また,本件が衝動的に行われたものであったことから,少年の保護者は少年を専門の医療機関に通わせるようにしました。このような少年及び少年の保護者の姿勢を,弁護士が付添人意見書にまとめて,家庭裁判所に提出した結果,少年は家庭裁判所において,保護観察処分が言い渡され,少年院に収容されることはありませんでした。
発達障害を抱えた少年(中学校1年生)が図書館において被害児童のスカートをずり下した強制わいせつ触法事件で,警察の調査段階から弁護士が付添人として付きました。
少年には発達障害があり,警察官とのやり取りも難しい部分があったため,弁護士が同席した上で事情聴取を行ってもらいました。その後に,事件が警察から児童相談所に送致されましたが,弁護士は児童相談所の担当者と連絡を取り,少年の問題点等を共有していきました。このような弁護活動の結果,少年に一時保護の措置が取られることはありませんでした。少年が児童相談所で指導を受けている期間に,弁護士は被害児童の保護者と示談交渉を行い,少年が反省していることや少年の保護者が再犯防止のための措置を取っていることを伝えていきました。その結果,被害児童の保護者は少年の再犯可能性は低いと判断し,示談書にサインしてくれました。
児童相談所は,被害者側と示談が成立していることや少年が自分のしたことを真摯に反省していること,再犯防止のために具体的措置が取られていることなどを考慮して,本件については家庭裁判所に送らない(家裁不送致処分)との判断を下しました。
痴漢の前歴がある少年が電車内において被害者の陰部などを直接触った強制わいせつ保護事件。
本件では,少年が検挙された直後から,当事務所の弁護士が少年の弁護人として付きました。弁護士は,すぐさま担当警察官と連絡を取り,逮捕の回避,少年が在籍する学校への連絡を行わないことを要請していきました。その結果,警察官は,少年を逮捕しない形の任意捜査で進めることを弁護士に伝え,学校への連絡もしないことを約束してくれました。その後,弁護士は被害者との示談交渉を進めていき,少年の反省の程度などを被害者側に具体的に説明していった結果,本件では無事に示談が成立しました。
本件では,少年に前歴や余罪があったことから,観護措置(少年鑑別所収容)の可能性もありましたが,弁護士が少年が事件の時より更生していること,被害者との示談が成立していること,性犯罪治療の専門医療機関で治療を開始していることなどを裁判所に示していったため,観護措置は取られませんでした。また,家庭裁判所における調査の段階になってからは,少年が性犯罪治療の専門医療機関に通い,真剣に再犯防止に努めていることや少年の両親がしっかりと少年を指導・監督していることなどを弁護士が意見書の形で,調査官・裁判官に示していきました。その結果,家庭裁判所での審判では,少年は保護観察処分となり,少年院に収容されることはありませんでした。
少年が,大学サークルの合宿で泊まっていたホテルの女子トイレ内において,被害者とされる女性に背後から抱きついて,その女性の乳房を揉むなどのわいせつ行為をした上,その女性が自分の部屋に戻ってからもわいせつな行為をしたとして強制わいせつに問われた事件。
この事件では,少年は事件から半年ほど経ってから逮捕され,約1か月半もの間拘束されました。家庭裁判所送致前に,弁護士(弁護人)は少年の無実を証明する関係者の供述を証拠化して,検察官の説得を試みましたが,検察官は弁護人の意見に耳を傾けず,そのまま少年を東京家庭裁判所に送致しました。その後の審理の結果,東京家庭裁判所の審判において,少年には非行事実なし不処分決定(刑事事件における無罪判決に相当する)が言い渡され,少年の無実が証明されました。家庭裁判所での審判後,少年は少年事件における補償請求を行い,国から身体拘束に対しての補償金を受け取りました。
なお,本件については,少年が在籍する大学も事件のことを把握していましたが,少年の無実が証明されたため,少年は退学処分を免れることとなりました。
代表弁護士:二宮 英人
(東京弁護士会所属)
弁護士登録をして以降,少年事件・刑事事件を専門分野に活動している。これまでに100件以上の少年事件で弁護人・付添人を務め,少年事件・刑事事件共に多くの解決実績を有する。
主な解決実績
・強制わいせつ事件における非行事実なし
不処分決定
・再度の保護観察中の傷害事件における
不処分決定,など
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こちらは,罪名別解説(少年事件)・不同意わいせつ事件に関するページです。
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2024年6月24日
・二宮英人弁護士が漫画「ハジメテノサツジン」で,法律監修を行ないました。
2024年5月29日
・有原大介弁護士が「日刊SPA!」で,不同意性交等罪についてコメント・解説をしました。
2023年10月26日
・二宮英人弁護士がABEMATVの番組で,未成年の性犯罪についてコメント・解説をしました。
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